先日、両親と会いました。
話が進み、ロレックス、中でもスポーツモデルの品薄と中古価格の高騰、転売について話しました。

母は、「そんな商売していたらいかん。」とだけ言いました。

その日の午前中にロレックスのショーケースを久しぶりに覗いていました。
ラインアップは言わずもがな。
スポーツモデルは34mmのオイスターパーペチュアルのみ。

私は、ロレックスをポンポンと買えるだけの収入がありませんので、負け犬の遠吠えにしか聞こえないかもしれませんが、やっぱりおかしいと思います。
ロレックスは名門中の名門ですが、お金を貯めれば庶民でも買えるブランドだったはずです。
品薄にして、免許証を提示させることがブランド価値を守ることなのでしょうか。
一部の成功者のみしか買えない、買わせない(お得意様だけに在庫を見せる)ブランドではありません。
その役割は、雲上ブランド、リシャール・ミルなどのぶっ飛び価格のブランドの役割のはずです。

ロレックスは憧れであり、だからこそお金を貯めて、ちょっと背伸びをしたら誰でも手に入れられる、そんなブランドのはずです。
その一本が一生その人の左(右)手で時を刻むかもしれないのに。

母は続けて「まっとうな商売をしているセイコーやシチズンでいい」と。

昭和20年代生まれ、ずぶずぶの国産信仰です。
昨今のセイコーの価格上昇は知りません。

ですが、セイコー、シチズンは一部の限定モデルを除いて、いつでも買えます。
欲しい商品がいつでも買える。まっとうな商売だとは思いませんか。

欲しい商品を求めて、毎日のように正規店に顔を出す。
たくさん買えば、奥から出してくれるのではと、要らない物を買う。
時計に愛着もなく、転売益しか興味がない者が流した物が正規価格の倍近い値段で流通している。

やっぱりおかしいですって。
ロレックス購入者は、投機目的しかいないのではとさえ思ってしまいます。
ロレックスは時計好きのためのブランドはなく投機のためのブランドという認識になってしまったら、それこそブランド価値を大きく毀損するのではないかと思うのです。

ロレックスが100年かけて築き上げた「時計」としての魅力が、今は「儲け」の魅力にとって代わってしまってしまいました。





おまけ
私も、ロレックスを持っています。
数年前に購入したミルガウスZブルーです。
時計好きは別のブランドを購入してもロレックスが欲しくなるもの、ということで他ブランドを購入して、「やっぱりロレックスが欲しい!」となるとお金がもったいないので、最初からロレックスを購入しました。
私だって人の子ですから、価値は気になります。ぶつけたら価値が下がるなんて考えるようになって、使用頻度はガクッと下がりました。
時計って使ってナンボなんですけどね。
80万円の時計ごときで、価値がどうこう言っている自分は諸先輩方からすると小せえ野郎だとお思いでしょう。
私にはロレックスは早かったのかな。

サブマリーナーを新品50万円で買って、ガシガシ使って息子に譲る。
こいつはいい時計だぞ、整備すればまだまだ使えるぞ、お父さんがボーナスを貯めて買った思い出の時計なんだ、これが一本あれば大丈夫だ!って言えるブランドでいて欲しい。

時計は思い出とともに価値ある一本になる。
今のロレックスは思い出を紡いでいけるだけ、誰かの腕にはまっているだろうか。
IMG_20200728_235722