オリエントスターから超絶怒涛のフラッグシップモデルが発表されてから2週間と少し経ちました。
改めて、冷静にこのモデルについて考えてみることにしましょう。
ローマン数字とムーブメントを魅せる手法から思い出されるモデルは、Cartierのスケルトンウォッチコレクション群。

馬鹿な私としては、SSブレスでなんでこんなにノーマルモデルと価格差開くん??って思うだけです。
製作コストよりも、希少性による利益上乗せのモデルなのかな、なんて。
ただ、デザインに関しては、オリエントスターの一歩、二歩先を行っているなという印象。
上下左右の対象デザインであり、ローマン数字がしっかりとムーブメントを“支えている”という安定感があり、スケルトンモデルという細さを感じさせるものでありながらも、デザインによって太さ・安定感を演出しているのは流石だと、改めて感じる次第。
オリエントスターの方も、負けずに「既存のムーブメントから文字盤を取り払い、装飾を加えた」のではなく、スケルトンモデル・フラッグシップとしてふさわしい仕上げ・デザインとしてきた。
分かりづらいが、パワーリザーブ計もあれば、スモセコもある。
2針のようで2針でない。
パワーリザーブ計を備えるというルール(呪縛?鉄の掟?)があり、上に針なら下にも針ということで備えられたスモセコ。
実用的と言えば聞こえはいいけれど、ドレスに完全に振って秒針すらも廃したCartierのエレガントさには敵わない。
パワーリザーブ計やスモセコを載せれば当然、パーツ数は多くなり、盤面はごちゃつく。
ちゃんと実用も狙ったといえば聞こえはいいが、中途半端と言われれば確かにそう。
様々な円(環・軌道)が重なる複雑な盤面。
ガンギ車や針などが円の中心だったり、軌道上だったり。綺麗に配置されている。
こうしてみると上下対象になっていていてよく考えられている。
しかし、ガイドが無いとこうした意図が読み取りづらく、惑星の軌道感も自転・公転感も感じにくいのはなぜだろうか。
思うに、その円(墨入れ)は、惑星の外周を表すのか、それとも軌道を表すのか判然としないからではないか。
たとえば、パワーリザーブ計の外周は「惑星パワーリザーブ計」だが、その軌道を表す円・墨入れは見当たらない。
一方で、「惑星スモセコ」は外周もあれば、その軌道も分かるようになっている。
そう、先ほど上下対象と記載したが、厳密には上下対象ではないのだ。
そのちょっとした違和感が、気持ちをモヤモヤさせる。
人は軌道上に円があると、惑星の動きを想像する。
しかし、テンプの中心がどうも二つの円の公転に位置しているように見え、どこをどう動くのか判別しにくい。
一方で、「惑星時針分針」の地動説を取ると、その他惑星の動きが同心円に固定されてしまうという弊害もある。(字分針同軸はオリエントスターのアイデンティティではあるけれども。)
そこは非常に難しい問題であるが、ブレイクスルーとするならば、スモセコという呪縛から解き放ったり、グランドセイコーよろしく裏面にもっていくなどがあったとしたら、面白いアプローチになったかもしれない。
110万円(税込)という価格は、10年保証、うち3回のオーバーホールを含むという。
1回あたりの金額を幾らで見込むのかは、ブランドごとに異なるので何とも言い難いが、5万5千円/回と仮定すると、税抜き85万円が本体価格といえる。
昨今、時計の値上がりが激しいので、読者諸氏のひと昔前(とは言っても4~5年)として15%オフにしてみると72万円ほど。税込だと80万円ぐらいだろうか。
これまで40万円前後が相場であったオリエントスターからすると、これでも2倍以上のお代を頂戴するということになる。
新規ムーブや作成の手間暇を加味しても、その金額を払う価値があるだろうか。
こればっかりは、その人次第、となるが、それ以前に私自身は10年保証はともかくオーバーホール3回無償は悪手だったと思う。
高級時計を手に取る際の懸念事項のひとつが、オーバーホールであることは論を俟たない。
一方で、オリエントスターを10年間持ち続ける人がどれくらい居るのか、ということである。
残念ながら、ある一定の価格以上の時計ではその資産性も考慮に入れられる。
そうしたとき、このモデルは、他人のオーバーホール代金をあらかじめ支払うような時計となってしまっている。
一生に一回と決めて買うなら、リセールも何も関係ないし、オーバーホールの恩恵も受けられるだろう。
しかし、そんな人だけではないはずだ。
つまり、ハードルを下げているつもりが結局、様々な時計を数年を置きに売り買いして楽しみたい層にとっては、障壁でしかない。
だったら、上記価格のように、税抜き80万円くらい販売して、最初のオーバーホールを無料にした方がよっぽどハードルが下がるし、2回目以降は33,000円(ただしメーカーオーバーホールを継続)にすれば、心理的ハードルは低い。
当たり前だが、どんなにメーカーがオーバーホールを「無償」と謳っても実質的には無償ではないのだ。
このモデルが発表されたとき、このモデルでオリエントスターとしてどんな方向性に進んでいきたいのか、分からなかった。
実験的なモデルなら、もっとドレス寄りにすればいいけど、やっぱり実用からは完全に抜け出せなかったし、時計好きに対してはもっと独善的になればいいのに無償オーバーホールで擦り寄ってくるし。
うーん、正直、なんと評論していいのか分からないぞ。

コメント
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butsuyoku1624
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