モーリスラクロア、と言えば「AIKON(アイコン)」が看板商品ですが、ほぼ一本足打法に近く、他のラインが育っていないのが現状です。

近年ではポントスダイバーの復刻がありましたが、アイコンセラミックなどのアイコン追加モデルほどの衝撃はありませんでした。


そして、新ラインとして発表された1975は、「Theベーシックモデル」です。
ご覧のとおり、いい意味でも悪い意味でもクセがありません。
タイトルなし
(画像は一部。詳しくは公式HP参照)
ラインアップは、
 「40mm・自動巻」、「36mm・自動巻」、「39mm・クオーツ」であり、それぞれシルバー・ブラック・ブルー文字盤の3種展開です。
 価格は、
  自動巻;205,700円(レザーストラップ)、223,300円(SSブレス)
  クオーツ;113,300円(レザーストラップ)、129,800円(SSブレス)
となります。
ちなみにSSブレス、レザーストラップともイージーチェンジャブル機能を有しているので、ブレス交換は自宅でも簡単に行うことができます。

そしてスペック厨の皆さんが気になるムーブメントは、cal.ML115(ベース;Sellita SW200-1)であり、アイコンの各モデルに搭載されているものと同じになります。
今や、アイコンは定価で30万円を超えていますので、同一ムーブメントでこの価格はずいぶんと嬉しいのではないでしょうか。

そして、5連ブレスを採用したことで、フォーマルなイメージに一役買っています。
これが3連ブレスだったら、キャラクターがアイコンやポントスデイデイトと被ることになったでしょう。
厚さが10㎜に抑えられているのもグッドポイントと思います。

ライバルの価格帯としては、プレザージュあたりでしょうか。
プレザージュクラシックシリーズであれば、13万円ほどで72時間パワーリザーブの機械式モデルを購入できますが、40.2㎜×13㎜というサイズはエレガントさに欠けます。
一方、クラフツマンシップシリーズは、値段が近寄りますが、こちらも40.2㎜×12.1㎜などと少し大きく少し厚い。
もちろん、各種ダイヤルの希少性はあるので、ソコに魅力を感じれば別なんでしょうが。

そのため、値段やサイズ(特に36㎜)だけを客観的に見ると戦闘能力の高いモデルではないかと思います。

目に浮かぶんですよ、新卒2年目の地銀の男性社員が上司に「ちゃんとした時計を付けて外回りに行きなさい」と言われ、この時計を購入している姿が。

派手なモデルではないし、キラリと光る何かがあるわけでもない。
しかし、サイズ、価格、仕様を色眼鏡無しで見ると、結構魅力的な商品であることが。
あとは、宣伝の仕方だけだと思いますので、売れなかったら広告戦略が悪かったということになろうかと思います。