タイトルなし
キングセイコーから新モデルが登場し、初見で上の画像を見た私は「VANACっぽいな」と思いました。
その点において、新生VANACは成功したと言えます。

70年代に流行したグラデーションダイヤルや飛び道具感のあるカットガラスを用いなくとも、そして言葉でVANACと説明しなくとも、デザインの力で伝えることができればそれは成功といいのでしょう。

かつて、私もVANACを所持していました。
グラデーションダイヤルにカットガラスという方程式どおりのデザインであり、(たしか)10年近く前にOHに出したときはガラス交換もしたように記憶しています。

正直、VANACは多種多様なモデルが発売されており、ヴィンテージモデルの球数も多いので、他のキングセイコーモデル群に比べると市場でも安く取引されており、リバイバルに当たっては、もともとの出自も相まって、6R系を搭載し、20万円台となると予想していました。

しかし、蓋を開けてみたら6R系でも6L系でもなく、新開発のcal.8L45を搭載し、396,000円(税込)という金額で登場したのは少し驚きました。

タイトルなし
今回は5モデルの発売(7月11日)
すべてのモデルが396,000円という価格になっています。

ケース形状は、HPの説明にあるように「金属の塊から削り出されたかのような力強くダイナミックな形状」を体現しており、復刻とは違う令和のVANACの在り方を表しているようで好感が持てます。
ケースを横から見たとき、その削り出し感、複雑な多面体の構造が良く分かります。
タイトルなし
一方で、この時計は厚さが14.3㎜もあり、キングセイコーの中では「分厚い」モデルとなっています。
ラグレスデザインであること、そして手首に沿うようなかたちでベルト位置が調整されているため、見た目以上に着け心地は良いと思います。(41mm径)
しかし(非常に難しい判断ですが)、6L系を積んでもっと薄くもできたはずです。
8L45は先日紹介したチタン600mダイバーズに搭載されるムーブメントですから、ある意味VANACをキングセイコーのスポーツモデルとして位置付けるにしてはオーバースペックです。
(それでも日常生活用防水10気圧)
そして、文字盤に「AUTOMATIC 3DAYS」と入れるなら6L積んで薄くして「VANAC」と入れてくれた方が良かった・・・というのがデザイン上の不満の一つです。
また、インデックスの立体感がVANACの特徴の一つだったところ、公式画像がからは12時位置のインデックスしか明確な立体感を感じることができません。
文字盤の厚さがゆえに上方向に厚みが増すならば、12時位置だけでなく全周立体感は統一してほしかったように思うし、ヴィンテージ感を増すためにベゼルレスにしたのなら、やっぱりムーブメントそのものの厚みは気になるところです。

ここは、最新の機構を最新モデルに余すことなく取り入れたセイコー社としての良心・・としておきましょう。
もしかしたら、ケースやブレスの仕上げに係る手間を金額に反映させると6Rでは高すぎ、6Lだと薄すぎてデザインが破綻、8L35じゃ中途半端、こんなところかもしれませんが。

車業界でも、最新モデルに最新機構を取り入れたら、上位モデルが霞んだ、なんてのはよくある話ですから。

最大の不満は、秒針の「V」デザイン。
ダサくないですか?あれ?
もう、ボルテスVのロゴデザインにしか見えませんて。


コンバトラーVよりはボルテスVが近いでしょう。
ボルテスVは悪くないんだ。ビクトリー感強すぎて・・・

と、まあ色々と言いましたが、皆さんの購買意欲はそそられたでしょうか、当モデル。
やはり、一人ひとりのVANACに対するイメージと現在の価格のギャップが大きいかどうかで変わってくるのではないでしょうか。
私はちょっと見送りですかね、キングセイコーはKSKの6Rモデル群で結構満足できていますので。