今も昔も、夜光はスポーツモデルの特権であり、インデックスや時短針に大きく塗布された夜光が夜道でキラリと光ると意味も無く、確認してしまうもの。
スポーツモデルでなければインデックスの周囲にポツポツと置かれることが多いので、夜光の特別感を味わいたいなら、やはりスポーツモデルとなる。

ヴィンテージモデルは、というと現代基準からすると到底スポーツ仕様(防水性能)に耐えないものであっても、スポーツモデルに位置付けられ、ご多分に漏れずシッカリと夜光がのっている。

当然、数十年前の夜光であるから、光を当ててもほとんど発光しないが、強壮剤(ブラックライト)を与えるとほんの一瞬だけ輝きを取り戻す。
もちろん、普段使いとしての夜光の性能は、無い。

しかし、枯れた夜光の色合いや雰囲気は抜群なので、ヤフオクなどで良い得物を探すことは止められない。そこからしか得られない栄養は確実にある。

チャンピオンアルピニストやジェットシリーズ、オートデータシリーズなど伝説にならずとも、ただの3針が背伸びしてスポーツを名乗り、あるいはスポーツのお面を被って世に出てきたタイムピースたちに想いを寄せずにはいられない。

翻って、現代国産メーカーからのラインアップを見てみると、やはりセイコーは巧い。
その点を抑えた展開をしている。
どんな意見が有ろうとも、売れるものを出す、という意気込みを感じる。
トヨタヴォクシーを見ているようだ。どんなにオラオラ系ミニバンが下品だといわれても、そこにニーズを認めたら突き詰める姿勢は、なかなか真似できるものではない。
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一方、シチズンはどうだろうか。
残念ながら、レコードレーベルやシチズンコレクションにデザイン含めてヴィンテージを感じるモデルは少ない。クリスタルセブン復刻のC7も、それなりの雰囲気はあるが夜光はのっていない。
ステップワゴンのように走れば分かってもらえる、と思って良そうな、技術屋的雰囲気がシチズン社からは感じる。
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一方で、読者諸氏は最近シチズンコレクションから発売になった、横36.5㎜、エコドライブ搭載で税込定価24,200円の、このモデルをご存じだろうか。そしてこのモデルか何を想像しただろうか。




そう!「オートデータユニ」ですね。

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ミラーダイヤルに枯れ夜光に「para40M」・・・
役満じゃあないですか。
結局、大切なアーカイブをこんな形で消費してしまうなんてなんと勿体ないことだろうと思います。
シチズンコレクションメカニカルで、cal.9011積んで、SS、サファイヤガラス(無反射コーティング)で88,000円ぐらいで出せば、買う人も多いだろうに。
哀しいかな、家電量販店じゃあ16,000円ぐらいですよ、実勢価格。

国産ヴィンテージの枯れ夜光からしから得られない栄養素、皆さんは摂取できていますか?