舶来ものがイイというマインドは、たぶん日本人に染み付いたもので、日本製のほうが機能が上回り価格も抑えられているにも関わらず、舶来ものを選ぶのはどうにも止められないものです。

もちろん、冷静にそれを判断し“実(じつ)”をとる人も居るし、エモーショナルな部分を大事にする人も居るから、その人の選択が間違っているというつもりは毛頭ないわけで。

しかし、価格や性能が拮抗したら、それはもう「キュン」とするかどうかの違いであり、一番最初の話に戻って、舶来の方が何かイイ気がする・・・(買える場所が少ないという希少性があるのかも)


ティソが裏スケ手巻きでクロノグラフという変態(褒め言葉)時計を出したことは、このブログの読者の方ならご存じのことと思います。
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これが70万とか80万という価格であれば、まあスピマスよりは安いか…(いやいやスピマスでも旧価格・旧モデルなら50万くらい)という感覚になるのが普通ですが、税込273,900円は話が違う。
搭載ムーブメントはETAのcal.7753ベースのもので、過去ティソではヘリテージ1973にも搭載されており、20万円台クロノグラフムーブメントとしては一般的とはいえ、だ。

しかも、今回は手巻モデルだけではなく、クォーツモデルも同時に発売した。
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価格は税込82,500円(ゴールドは89,100円)。

こうなると、セイコーのプロスペックスを意識せざるを得ない。
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細かな仕様の違いはあるものの、定価ではバチバチに張り合っています。
セイコーは値引きやソーラー、日付機能などの実用性の面では勝っていますが、冷静にセイコーを皆さん選びますか?

ちなみにPR516も70年代の同社のモデルの再構築ですが、スピードタイマーだって負けてはいません。
贔屓目なく見ても、セイコーの方が勝っていると考えます。

それでもティソに惹かれてしまうのは「手巻き」「日付窓なし」という、時計好きが惹かれる「機械としての原点」そして、クロノグラフという刹那の時間を測る時計に「日」という概念は要らない、という気概を感じるからではないでしょうか。

セイコーは歴史で勝って、スピリットで負けた、そんな感じがします。