そうか・・・100周年だからその方向性で行くんですね。
それなら、それでこちらも期待しちゃいますよ。
内容の是非はともかく、
 ①新マリンマスター
 ②新スピードタイマー
と来たら次は何?
 新アルピニスト?新ロードマーベル?新ワールドタイマー?
当然、クオーツやGPS、ソーラーモデルなんかも控えているでしょうが、機械式モデルが復刻あるいはリバイバルされると時計好き、セイコーファンはたまらんですね。

さて、今回のメカニカルクロノグラフ、特徴は3つ。

①cal.8R48搭載
 これまでの新生スピードタイマーラインはcal.8R46あるいはクオーツモデルの展開でしたが、今回は3つ目のcal.8R48の追加となり、ラインアップの厚みが増しました。


②デザイン
キャリバー6138を搭載したクロノグラフをデザインソースに・・と公式ホームページでは述べていますが、ブレス形状から明らかに「6138-8000」あるいは「6138-8001」を意識しています。
しかし、公式ホームページではオリジナルモデルとしてこれらを登場させていないのは、何かズルいです。他のモデルはクラウンクロノグラフとかしっかり表示しているのにね。
その理由は後述します。

さて、ここで思い出されるのが2019年に復刻したクロノグラフモデルです。
みなさん覚えておいででしょうか?
タイトルなし
レイアウトは同じですが、ボックスサファイアからデュアルカーブサファイアに変更となったこと、裏スケを止めてシンプルなスクリューバックにしたことで薄型化しています。
ちなみに、重さはSBEC005が190g、SBEC021,023が183gであり、ちょっとだけ軽くなっていますが、さすがSS機械式クロノグラフといった重さです。

そして、白文字盤、黒文字盤それぞれ発表されていますが、限定は黒文字盤の方。
てっきり、100周年モデルは白系で統一されるのかと思いきや、です。
おそらく、パンダ文字盤の方が長く、また、本数的にも売れると踏んだのでしょう。

今回のモデル、「キャリバー6138を・・・」というように濁しています。
セイコークロノグラフで語られるのは、6138-8000,8001そして8020です。
このモデルはそれらのハイブリッドモデルだからです。

まずはタキメーター。
タイトルなし
ちょっと見ずらいですが、6138-8020のようにタキメーターの数字が500-400-350-300…となっており、600から始まる6138-8000、400から始まる6138-8001とは一線を画しています。
(これは前作SBEC005でも同じ)

いっぽう、ブレスは前述したとおり、6138-8000,8001のスタイルを採用。SBEC005が3連ブレスだったのと対照的です。
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6138ごった煮デザインだったとしてもなかなかよくまとまっていると思いますし、ブレスをキッチリ再現してきたので、好印象と捉える人が多いのではないでしょうか。
ですが、デザインコードを明確にせず、濁す姿勢は良くない。これならこれ、と明確にした方がアーカイブモデルが背負う歴史を継承し、新モデルの格が上がるというものです。

③価格
正直、前作の価格(38万円+税)を覚えていたので、10%割り増しはやむなしと思っていた。
しかし、蓋を開けてみたら、実質値下げと言ってもいいのでは?
レギュラーモデルは税込35万円だし、限定モデルも追加ストラップ(カーフ)がついて前作の税抜き価格と同じ。ほら、裏スケしなけりゃ安くなるんだって!(暴論)
しかも、人気のパンダ文字盤の方をレギュラーモデルにして、価格を抑えてくれたのは素直に喜ぶべきでしょう。
こりゃあ、すごい。素直に拍手です。

欲を言えばカーフストラップはラリーモデルっぽくパンチングデザインだったらなお良かったね。。。
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なぜ、この価格なのか?
やはり販路限定(セイコーウォッチサロン)だからでしょう。
全国にあるとはいえ97店舗しかありません。
自動車業界のメーカーと販社の関係のように時計業界もそうなのか分かりませんが、メーカーとしてもサロンに対し、専用モデルかつ定価でもお買い得感あるモデルを出して、客の誘致、新規顧客の獲得をする必要があるのかもしれません。

Xマークがどうしても気になる方も、いいとこどりデザインが気になる方もいるでしょう。
しかし、薄型化し、ブレスを新規に起こし、実質値下げしたこのモデル、総合的に見たらやっぱりお買い得でしょう。

一方で、セイコーとしてはもう少しお金をもらうならR系列のクロノグラフムーブメントでなく、L系列のムーブメントを新規に開発しないとレギュラーモデルで45万円くらいからのスターティングプライスにもっていくのは厳しいかもしれませんね。