タイトルなし
オリエントのダイバーズにはあまり期待をしていない、というのが本音です。
過去記事



メーカーとしては過去記事でも取り上げたように「復刻モデル」ではなく、あくまでも過去デザインにインスパイアされた「現代モデル」としての位置づけです。
この点は、セイコーにおける「ファーストダイバー現代モデル」とSBDX019やSBEN003のような復刻モデルが棲み分けされているように、オリエントのダイバーズとは「ファーストダイバー現代モデル」と同じ扱いなのです。

しかし、メーカーHPではヘリテージモデルと並べて紹介され、さも復刻モデル感を醸し出していますが、その実、現代モデルであって、決して復刻ではない。

ダイバー1964黒文字盤は国内限定200本だったこと、また、第一弾だったため完売しましたが、1964白文字盤は限定数を400本に増やし、2(3)匹目のドジョウを狙ったのが災いしたのか未だに完売せず。それどころか、ヨドバシカメラでは割引販売されている始末・・・

だれも言わないから言いますけど、失敗やろ・・・

失敗の最も大きな原因は文字盤にあることは言わずもがなですが、それ以外にもありそうです。
【オリエントスターでの展開】
 オリエントスターというフラッグシップレーベルでありながら、機械の精度(cal.F6N47(日差+25秒〜-15秒))、ケース厚(14.3~14.5㎜)がどうしても受け付けない。
 同じスペック、同じ値段で「ORIENT」レーベルの高級機として売り出していたら違った未来があったと思います。パワーリザーブ計の搭載という蛇足デザインにとらわれることも無かったでしょうし。
 ただし、ORIENTレーベルにおけるリバイバルシリーズでは「キングダイバー」「ワールドマップ」のようにオリジナルを大事にちょっとずつ展開していけばいいものの、一気に多色展開して飽きられるという毎度毎度のことがあるので、それだけ気をつけなければいけませんが・・・

さて、ケース・ベルトまでフルチタンかつ機械式ダイバーズで、なおかつお手頃価格となるとライバルは「チャレンジダイバー復刻」しかありません。
スタンダードな黒×黒は、チャレンジダイバーではラバーベルトのみなので、スタンダードな黒×黒で展開したのは評価できる点ですし、オレンジ色の「TITANIUM」の文字もカッコよくきまっています。
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ただし、単純なスペック、そして価格だけを比較すると非常に厳しい結果となります。
(SBDC129は参考記載)
もちろん、仕上げなどの細かな点(cal.9051はローターのシャー音が大きい)は実際に見てみないと分かりませんが、価格差を覆せるだけの何かがありません。
まだ発売前なので割引などもなく定価販売であり、実勢価格として割引販売されているシチズンとの価格差はさらに開いています。
今後、オリエントも割引販売されるのでしょうが、スタートとしてはやや厳しいですね。

公式サイトには載っていませんでしたが、SSモデルがARコーティングしてあるので、おそらくチタンモデルも同様かと思われます

今後、オリエントスターにおけるダイバーズは思い切ったことをしなければ同じ轍を踏むことになるでしょう。
 ① パワーリザーブ計との決別
   BMWのキドニーグリル、アルファロメオの盾形グリルなど、デザインアイデンティであることは分かる。しかし、(もともと有ったものは別にして)レガシーデザインに採用することは、消費者は求めていない。「これだよ!これ!」が欲しいんです。
 ② 価格を上げる
  秀逸なデザインとエレガントなケースサイズ、高精度の機械であれば25万円でも売れます。
  本モデルもあと2mm薄く、高精度化あるいはロングパワーリザーブとすれば、キングセイコーと張り合えるだけのポテンシャルを有しています。

頑張ってくれ、オリエント。
セイコー、シチズン、オリエントの3社の復刻ダイバーズが揃うその日まで。