タイトルなし
毎年、毎年グランドセイコーのUS限定モデルはなかなかに魅力的なモデルを出してきます。

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トレンドカラーである「アイスブルー」や「グリーン」を抑えたモデルを素早く展開します。
このあたりは、日本の戦略と異なるのでしょう。
こういった色遣いは国内モデルでも展開はあるものの、割と落ち着いた雰囲気です。
一方、USモデルは明らかにお金のある層に向けての短期の売り切りを企図しており、細く長くというよりは「乗るしかない!このビッグウェーブに!」という雰囲気がします。

さて、今回のモデルは「日本刀モデル」です。
アメーリカ人には「☆KATANA☆」の方がインパクトがあり、「忍者(NINJA)」とも相まって何だか厨二病感ありますが、我々日本人からすると、「日本刀モデル」というよりも「刀匠モデル」と言った方がしっくりくるようなデザインコンセプトです。

タイトルなし

今回も、前回同様SSケース&ブレスの44GS、スプリングドライブドライブ搭載モデルです。
デザイン(と言っても違いは文字盤、針だけですが)コンセプトを見るにそれぞれのモデルを名付けてみました。

しかし、これらのデザインを知るためにはまずは日本刀の製作方法を学ばなくてはなりません。
→作製方法 (刀剣博物館HP

溶かして伸ばした鉄をただ、トントンするだけでは作れないことを、恥ずかしながら初めて知りました。
強靭な皮鉄(かわがね)を柔軟な心鉄(しんがね)で包むことで、「折れず、曲がらず、よく切れる」日本刀が出来上がるんですね。
そして、皮鉄(かわがね)・心鉄(しんがね)造り、二つを合わせた素延べ工程での鍛錬によって日本刀が出来上がるというわけです。

SBGA489
タイトルなし皮鉄の硬さと美しさは、SBGA489の黒い文字盤にインスピレーションを与えており、その文字盤の模様は、伝統的な日本刀の材料である「宝石」とも称される玉鋼の異なる変化の独特の質感を想起させます。












SBGA491
タイトルなし
心鉄の持つ強靭さと力強さは、SBGA491の緑の文字盤にインスパイアを与えており、その文字盤の模様は、伝統的な日本刀の材料である「宝石」とも称される玉鋼の異なる変化の独特の質感を想起させます。







 




SBGA493
タイトルなしSBGA493は、刀を創るために必要な決意と熱い精神を表現しています。濃い赤色に黄金のアクセントが加わったデザインは、鍛造プロセス中の加熱された刀に影響を受けています。模様は、ハンマーが刀に打撃を加える際に生まれる放射状の火花を模倣しています。











このように、各文字番にはコンセプトがあります。
SBGA493の赤文字盤は、「たたらモデル」と言いたくなりますが、解説にもあるとおり、ハンマーの打撃による放射状の火花を模しているので、やはり「鍛錬モデル」とするのが相応しいでしょう。

先にも述べたとおり、アメリカ人に対して日本刀というコンテンツを用いて、商品力を高めるのは素人目に見ても有効だと思います。
これを日本人に向けても、アメリカ人ほどは響かないだろうし、44GSのSSモデルスプリングドライブに果たして80万円弱の金額を出せる人がいるのか、という日本人の購買力の低さも問題になってくると思います。

昨年は、44GSを出しまくった年でしたので、反動で今年は落ち着くのは当然と言えば、当然です。
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それよりなにより、44GSの現状よ。
SSモデルがクオーツ&スプリングドライブのみでその他は軒並みEBSに置き換わり、大幅な価格上昇。
限定でもなんでもSSモデルが出てくることの方が、羨ましかったり。
現在の44GSラインアップ→公式ホームページ