タイトルなし
プロスペックスの新型モデルが3月8日に発表され、特設ページまで作られる好待遇。
それもそのはず、今回のモデルはセイコー初となるダイバーズモデルにGMTがついているモデルだからです。
公式HP

ふーん、1968ダイバーズにGMTモデルが追加されたのね・・・レベルであれば、大したトピックスにならないとは思いますが、今回のモデルはちょっと気合が入っています。
タイトルなし
① 新ムーブメント搭載
キングセイコー追加モデルに新ムーブメントcal.6R55が搭載されたことは以前、当ブログでも紹介しました。
過去記事

cal.6R15(50時間)→cal.6R35(70時間)→cal.6R55(72時間)と進化してきた3針日付モデルですが、6R系統のGMTムーブメントは現在、プレザージュに展開されているcal.6R64であり、パワーリザーブは45時間ほどと一般的なスペック。
数字上の違いをまとめると下のようになります。
タイトルなし
機能面では、パワーリザーブ計廃止、ポインターデイト→日付窓といった違いもあります。

②厚さ12.9㎜
当モデルは200m潜水用防水を備え、GMT機能を付加していながら12.9㎜という厚さに抑えています。
これは新ムーブメント採用の恩恵によるものでしょう。
6R64搭載のプレザージュは、日常生活用強化防水(10気圧)でありながら厚さ13.7㎜です。
おそらく、新ムーブメント開発にあたってはパワーリザーブ計などの機能面での訴求力より、エレガントさや装着感といった実用面が優先された結果、薄型に踏み切ったのではないでしょうか。

③セラミックベゼル搭載
ようやくか、という気持ちもありますが、新ムーブメント搭載、新モデルということでアルミベゼルのままでもこのモデルは展開できたと思います。
しかし、10万円以下のマイクロブランドまでもがセラミックベゼルを採用している昨今の時計界隈において、セラミックベゼル採用は避けられないでしょう。
まして、特設ページにあるように「プレミアムスポーツウォッチ」を名乗るのならば。

①~③を総合して比較してみるとこんな感じ
タイトルなし
新型ムーブメントのポテンシャルからすると、新型ムーブメントを積んだダイバーズ(3針)モデルは厚さが12.5㎜前後に収まり、より装着感が良くなりそうです。
また、セラミックベゼルも採用されるとすると、キングセイコーまでいかないにしても税込18万円ほどとなりそうです。
しかし、プレザージュが3針とGMTの価格差が約5万円ですので、現在の価格差に違和感は生まれません。
今後、セイコーがプロスペックスのブランディングをどのように舵取りしていくのかが気になります。


さて、ここでタイトルに戻りますが、ダイバーズでGMTモデル・・・
検索を掛けてみましたが、MIDOの一モデルとシチズンプロマスター、また、SUMOモデル、そして過去のセイコーモデルぐらいしか見当たりません。

そらそうだ。
海の中で酸素ボンベの残量なんかを確認するときに、NYは何時かな?なんて気にする人は居ないですから。
NYのルーシーが起きているかどうかより、自分の命に係わることの方が優先なのは当たり前の話で、であるからこそ、ベゼルはGMT機能ではなく、カウントダウンを採用しているわけで。(これが逆だったらお笑いです)

ただ、スポーツモデルは本当に想定されたシチュエーションで使うかどうかは置いておいて、ある程度機能的であることが求められ、それがブランドのイメージアップにもつながっていると思います。
そうすると、実際に使うことが想定されていないダイバーズ+GMTという機能は「丘サーファーです!!」と宣言してしまっているような気がして、プロスペックスというブランドネームを毀損しているのではないか、、、という懸念さえ生まれてしまうのです。

たしかに、サブマリーナーを付けて潜る人は所有者のほとんどいないけれども、ダイバーズウォッチという機能を損なっていないからこそ、価値があるわけで。

ダイバーズ+GMTはセイコーにとっては、珍しくないものかもしれませんが、他社が追従しないってことは、そういうことだぞ。

めずらしく公式画像がかっこよく(密度感がいい。シードっぽい雰囲気)撮れているので、注目度は高そうです。
発売は6月と、少し先なのでW&Wの各社の発表を待ってから購入検討するでも遅くないでしょう。