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1月31日にプレスリリースされた110周年記念モデルとして発売されるグランドセイコー。

税込1,815,000円だそうです。
WGかな?と思ったら、ブリリアントチタンだそうです。
手巻きスプリングドライブかな?と思ったら手巻きのcal.9S64だそうです。
うーん。

文字盤は黒漆と高蒔絵の技法(加賀漆芸)で作られています。
美術館や博物館などで漆細工の工芸品や美術品をご覧になった方もいらっしゃると思いますが、何百年経っても色あせない美しさというものは、錆びないチタンとの相性は良いものと感じます。

そして、ザ・シチズンの甲冑モデルやグランドセイコーKODOにも採用された姫路黒桟革のような、ストラップ。
今回は、「鎧織(よろいおり)」ストラップと言うそうです。
牛革と糸を交互に織り上げたもので、ずいぶんと手間がかかっています。
前から、ファブリックストラップが高級時計の次のムーブメントになる!と言っていましたが、チラリと顔を覗かせたような気がします。
正直、このストラップだけ欲しい。

限定500本(国内100本)の割り当ては、多いように思います。
大きさ(38㎜)と世界観が日本向きだと判断されたのでしょう。

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また、限定モデルか・・・という声が聞こえてきます。
グランドセイコーファーストは節目、節目で復刻され、現在は復刻デザインとして3素材(3モデル)がレギュラーモデルとして、今作を含めた2モデルが限定モデルとしてラインアップされています。
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果たして、グランドセイコーファーストモデルは未来への価値を創造(=進化・深化)できているのでしょうか。

復刻デザインは、針のバランスやインデックスの厚さ・長さなどを変えたところで「復刻モデル」の域を出ません。
毎年のように限定モデルを出したところで、どんなに企画が良くても『色違いね』や『またか』という評価が定着してしまうおそれがあります。

グランドセイコーファーストモデルを殺した(=機械式GSを休止した)のはセイコー自身です。
前から言っていますが、ファーストモデルだけは細々とでもいいから作り続けておけばよかった。

一度、モデルライフが終わるとそれから先はすべて『復刻』の烙印を押されてしまう。

ここはひとつ、「GSファースト」というペットネームにして、グランドセイコーファーストモデルだけ特別扱いしてはどうだろうか。
素ファーストは今のレギュラー3モデルを当てればいい。

カラトラバを見習ってほしい。見慣れた5227だけではない。
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5227という基本は抑えつつ、スポーツモデルや6119のようにコインエッジを付けたモデルも展開している。

『復刻』モデルにこれができるだろうか。
こんなことしたら、「こんなのグランドセイコーファーストモデルじゃない(合わない)」という声が社内外から出るだろう。
そりゃそうだ。復刻モデルだもの。

過去の栄光に縋って見てくれが変わるのは、5年ごとの同窓会で会うたびにちょっとづつ老けてなお、毎回同じ話を繰り返す同級生を見ているようだ。

昔話はもういいんだ。
今のあなたの話を聞かせてほしい。
未来のあなたの姿を見せてほしい。

グランドセイコーファーストモデルに変わる意思はあるか。
変えないなら、また、変わるなら、そこに哲学(フィロソフィー)はあるか。