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オリエントのコンテンポラリーシリーズにスケルトンモデルが追加されることが発表されました。
発売日は11月10日。価格は税込341,000円です。
2022年9月7日はスケルトンモデルのほか、先日紹介したMOP文字盤、「Moving Blue〜世界をつなぐ感動の青〜」というセミスケルトンのモデルも発表されています。
過去記事


オリエントスターのモデル体系は下のように、
 ・クラシックコレクション
 ・コンテンポラリーコレクション
 ・スポーツコレクション
 ・レディース
という4つに分かれています。
タイトルなし
コンテンポラリーコレクションはドレス寄りのクラシックコレクションとカジュアル寄りのスポーツコレクションの間としての役割を担っています。
オリエントスターのなかでフルスケルトンモデルはコンテンポラリーコレクションにだけ、ラインナップされていませんでしたので、これでようやく、という感じです。

当モデルに載ったムーブメントはクラシックコレクションのフルスケルトンモデルと同じcal.F8B61です。精度は日差+15秒〜-5秒、駆動時間は70時間以上を誇ります。
しかも手巻であるため、裏から見てもローターに邪魔されることなく内部機構を堪能することができます。
横幅は39㎜、厚みも10.8㎜に抑えられています。
正直、手巻きならもっと薄くてもいいというのが個人的感想ですが、コンテンポラリーコレクションのデザインにより、良しとします。
クラシックコレクションは10.6㎜ですので、ちょっと厚くなっています。

税込341,000円は全オリエントスターの中で最も高額です。
コンテンポラリーコレクションのスタンダードモデルが7万円弱ですから、約5倍の価格差があります。
ですが、クラシックコレクションと違い、SSブレス+本革ストラップですからSSブレス分高いといったところでしょうか。

このモデル、非常にカッコイイです。
カン足もたくましく、他のブランドであればスポーツモデルとして展開されていてもおかしくないと思います。
私はパワーリザーブ計に否定的ですが、自社ムーブメントの70時間であれば、それをアピールする点でもよいと思います。
公式画像で見ただけですが、時針と分針の立体感が感じられないのが残念です。なんだかペラペラのような感じがします。実際見てみないと何とも言えませんが。この点GSのように角がビシッとしていれば、価格以上の出来と評価されるでしょう。
あと、12時位置のローマン数字も評判がいまいちのようです。
ローマンだと、どうしてもドレス寄りの印象が付いてしまいますが、このモデルからは割とスポーティーさを感じます。なれば、いさぎよく全てバーインデックスでもよかったのかなとも。
メカニカルムーンフェイズは全てバーインデックスなので、不可能ではなかったハズ。

フルスケルトンモデルは非常に難しいモデルです。
低価格モデルにしたら、内部機構を見せることで”高見え”できますし、高額モデルになればこだわりの機械を見せられます。
そのため、巷で発売されているモデルを見ると価格が両極端です。
高そうに見せている安物と、通常モデルのハイエンドモデルとして出している高級品。

デザインに失敗すると安っぽく見えてしまうので、30~50万円台のモデルはほとんど見つかりません。
この価格帯だと、スイス勢は自社ムーブメントやロングパワーリザーブを積むことが難しく、また、ムーブメントそのものにコストを掛けられないことから、「上」よりも「下」に見られてしまうからかもしれません。

タイトルなし
上図は一例ですが、このほかにもエポスなどのブランドがスケルトンモデルを展開しています。ですが、数は少なめ。
上を見るとベルアンドロスやカルティエ、ゼニス、ウブロなどがありますが100万円近いので買えません。

そう考えると、どこでもいつでも買えて、手巻きなこのモデルは非常に貴重な存在なのではないかと思うのです。