グランドセイコーのスポーツコレクションクオーツGMTがモデルチェンジした記事を書いたとき、他のメーカーのクオーツGMTはどうなのだろうという疑問が湧いた。
しかし、調べても調べても現在ラインアップされているモデルでグランドセイコーに比肩するモデルは見つからず、結果として、クオーツGMT市場はグランドセイコー1強なのである、ということを思い知らされた。
やはり、3針+1、それに日付を駆動させ、一定の精度を出すクオーツムーブメントを用意するのは難しいのである。
当然のことながら、グランドセイコーは虎の子のcal.9F86を外部に供給するはずもなく。

2022年8月現在、グランドセイコー公式HPにおいてcal.9F86でソートをかけると出てくるモデルは全部で9種類。
(スポーツコレクション7種類、ヘリテージコレクション2種類)
それぞれのスペック等は下のとおり。
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前の記事で新クオーツGMTをまとめていた時、SBGN019、021との価格差についても触れようと思いましたが、長くなるため割愛しました。
今回はそこに焦点を当てています。
やはり、cal,9F86で括るとSBGN019、021との価格差12万円が気になります。
プロスペック1本分もの価格差はどうして生じているのでしょうか。
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ケースサイズなどを除き、カタログ上で判る価格上昇要因は上記のとおり(強化耐磁は1種)です。
実物を見ずに、HP上で違いを調べたら「え…⁉これだけ⁉これで12万円も違うの?」という印象を持たれる方が多いと思います。
何かあるやろう、と思って銀座ブティックで聞いてきましたが、「こちらのモデルはセラミックベゼルで…耐磁1種で…」ということを言われ、うーんとなってしまいました。
確かにSBGN019(021)はセラミックベゼルを採用しているため、SSベゼルよりは高級感があります。
また、ケース形状からも仕上げにもうひと手間かかっていそうな気がします。

ですが、
 税込385,000円

 税込506,000円
の価格差のインパクトは大きいですよね。
税抜価格では差は10万円ですが、消費税が加わって実際の差額は12万円となり、40万円の大台を超えて50万円となってしまいます。
これが、実際の差額以上に感じてしまう要因なのでしょう。
メーカーがお客さんから12万円追加でいただくには商品の訴求力が弱いような気がします。
例えば、3連ブレスの中央をポリッシュにするだとか、18Kを採用するといったパッと見で分かる違いを設けないと、価格差に納得がいく人は少ないんじゃないでしょうか。

このモデルはSSブレスを止め、ラバーストラップ仕様にして値段を10万円下げた方が売れるような気がします。
Dバックル仕様のラバーストラップで税込405,000円であれば、いけるような気がしませんか??


グランドセイコー以外にクオーツGMTを展開しているブランドにロンジンがありました。
公式HP
コンクエストのVHP搭載のモデルです。(2018年発売)
約18万円という価格、年差±5秒という高精度、ラバーストラップ仕様ありは魅力的に映ります。
しかし、41㎜径はまだしも、リューズとリューズガードのでっぱりはいただけないですね。
リデザインされて発売されたら購入候補に挙がる方も多いのではないでしょうか。
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なお、ハミルトンにもクオーツGMTモデルがありますが、クロノクオーツであるため、今回は省略しました。
また、タイメックスQ GMTも価格帯が大きく異なるため割愛しました。
現行で発売されているクオーツGMTはこんなものがあるよ!という情報をお待ちしております。

【2022.8.29更新】
国産クォーツGMTにはTRUMEありの情報を頂きましたので過去記事をば!