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昨年の4月にボーム&メルシエから「リビエラ」が復刻されました。
ラグスポタイプのケース・ブレスレットだったので、流行りに乗ってハネるかな?と思いました。
あれから1年以上が経ちましたが、購入報告をあまり耳にしません。
ラインアップも増えているというのに、なぜなのでしょうか。

現在のラインアップは以下のとおり
リビエラ1_page-0001リビエラ2_page-0001
120時間パワーリザーブのボーマティックを筆頭に、現在はサイズとムーブメントで分けると6種類発売されています。
ボーマティックを除き、3針自動巻はセリタ社のcal.SW200(-1)を搭載しています。精度は±2.5秒ほどで高精度。ケースの厚さだって10.66mm(42mm)と、裏スケを採用しているにもかかわらず、薄く仕上げています。
スペックは問題なさそうなのに、何故話題にならないのか‥…

①価格
これを言っちゃあ、お終めぇよ。
単純に、高い。
値上げにより、価格的魅力が薄れてしまいました。
もちろん、仕上げや裏スケ、ブランド力などの要素はあるにせよ、cal.SW200(-1)を積んだベースモデルSSブレス仕様が33万円。(33mm,36mm,42mmいずれも)
同じムーブメントを積んだモーリス・ラクロア「アイコン42mm」は、SSブレス仕様で225,500円〜
フレデリックコンスタント「ハイライフ41mm」は同仕様で272,800円〜(COSC認定、裏スケ)
Sinn556.Aは、264,000円〜(裏スケ)
オリス「アクイスデイト」は264,000円〜(300m防水)
このように、同系列ムーブメントの他ブランドよりも数万円〜10万円ほど高い。

②ブランドの方針
お手軽ラグスポの火付け役であるモーリス・ラクロア「アイコン」は、大ヒットしたため、売り場に行くとさまざまな種類が置いてある。
しかし、モーリス・ラクロアはアイコン「しか」ないとも言える。
一方、ボーム&メルシエはリビエラに頼り切った展開にしておらず、クリフトンハンプトンといった看板商品もある。
一モデルに頼らない戦略は、リスクマネジメントとしては正解だろうが、消費者としては、33万円からなる時計を試着もせず、実際の色味も分からずオンラインショップで購入するのは躊躇われるだろう。
なので、取扱店に赴くのだが、置いてある種類が少ない。
メーカーや他店舗からお取り寄せできます、と言われても「今、その場に無いこと」で、じゃあいいです、という心理にも繋がってしまいかねない。
売れない⇒置かない⇒売れない⇒置かない⇒…負のスパイラルに陥っているのではないか。(売れないから置かないのか、置かないのから売れないのか…)

③装着感、サイズ感
42mmを試着してみて感じたのがサイズ以上のゴツさ。
ブレスの一コマ一コマが大きく、手首の細い自分には装着感が悪い。
リューズも大きく、操作性はよいが手首にキツく当たる。
36mmはというと、ゴツめのベゼルのせいで文字盤が相対的に小さく、物足りなさを強く感じる。
オリジナルモデルを踏襲したデザインではあるけれども、ラグジュアリー的要素であるスマートさに欠けてしまい、スポーツ要素であるゴツさ・力強さのみ感じられてしまった。
結局、42mmはそのサイズ以上に感じ、36mmはサイズ以上に小ささを感じてしまうのだ。
体格のいい西洋人であれば、42mmを難なく使いこなせるだろうが、日本市場では、42mmと36mmの中間サイズ展開が欲しいところ。


肝心の価格は、既存ユーザーのことを考えると値下げ方向に持っていくことは難しいでしょう。
やはり、42mmと36mmの中間サイズ展開と、機能的・素材的付加価値をつけた上で、他モデルよりも買い得感ある価格設定にしないと話題にならないのではないかなと思います。

チタンベゼルモデルもありますが、ベゼルだけじゃインパクトないですよね。
チタンケース&ベゼル・ラバーベルトで39万円なら納得感ありますけどね。
セラミックや18kコンビなど、価格設定によっては挽回できるチャンスはまだまだあると思うのですが。

皆さんはリビエラ、もうご覧になられましたか?