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元ネタわかる人はソコソコの軍事オタクです。

さて、ザ・シチズンからcal.0100を搭載した金無垢モデルが発表されました。
横37.5mm×厚さ9.1mmというスペックは、これまで発売されたSSモデルとほぼ同じです。(SSモデルは厚さ9.7mm)
お値段税込220万円は、おぉっ…とため息が出ます。

ザ・シチズンcal.0100搭載の金無垢モデルといえば、2019年のファーストモデルを思い出す方も少なくないでしょう。
現在もブランドサイトには載っており、税込198万円となっております。
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単純な比較はできませんが、大まかな括りで「金素材」を使っていながら、約20万円ほど値段がアップしています。
ザ・シチズンは、シチズン社のフラッグシップモデルだけあって過去にも金無垢モデルを発売していました。

ザ・シチズンスペシャルサイト

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まずは2005年。年差クォーツですが、今では考えられないような値段です。
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そして、2010年の機械式。ボームアンドメルシエあたりが現在も近い値段で金無垢モデルを発売していますが、シチズンといえどもザ・シチズン名義で金無垢機械式を出すならこの値段では無理でしょうね。

価格上昇の背景は、時計メーカーによるブランディングの変化や原材料費や人件費の高騰によって、時計価格が全体的に上昇しているという点があります。

もう一つの要素が金価格の上昇。
 2005年:1400円/グラム
 2010年:3200円/グラム
 2019年:7700円/グラム
 2022年:8800円/グラム
調べた結果、ざっと上記のようなかたちでした。

ザ・シチズン金無垢ファーストモデルが発売された2005年からは約630%も上昇しています。
新モデルの重さが分からないので何とも言えませんが、cal.0100積んで2005年モデルの4倍という価格はむしろ良心的…なのか!?(6倍の300万円じゃあ誰も買わないか‥)

ザ・シチズンの金無垢モデル、特にクォーツ(技術的優位性を考慮すると大きく括っていいのか悩みますが)である当モデルには賛否両論あろうかと思います。
しかし、ザ・シチズンにとって金無垢モデルは避けて通れない道であるとも思います。
いわゆる高級時計には金、プラチナといった貴金属モデルが不可欠であり、ドレス3(2)針は基本中の基本だからです。
なればこそ、雲上はどんなにノーチラスやロイルオーク、オーヴァーシーズといったSSラグスポが売れていたとしても、ドレスモデルを大切にしており、それがブランド価値を高めているのです。

今流行りの「ラグスポ」にラグジュアリーという土台無くして、存在することはあり得ず、今後、cal.0200搭載のSSモデルが真にラグスポを名乗るのであれば、その土台たる金無垢3針モデルは欠かせない存在といえます。

当モデル単体で見ると、クォーツで200万円?と短絡的に考えてしまいがちですが、ブランド全体の価値を高めるためには、必ずラインアップすべきモデルと言えるのです。

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国産モデルの実質的ライバルは初代復刻グランドセイコーですが、税込300万円超であり、機械式とはいえcal.9S64では、cal.0100と比較するには役不足と感じるのは私だけでしょうか。
軍配はザ・シチズンに上がります。