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キングセイコーが復活しました。
インスタのセイコー公式アカウントでCOMING SOON2022.01.25と勿体ぶっていましたが、発表されたのが1月17日だったので『まだかまだか』感はありませんでした。
当日はセイコーHPに張り付いて、いつアップされるんだと更新ボタンを連打しまくってましたが、予想していた10時ではなくお昼に更新され発表と相成りました。
その時、私は上司と中華料理屋で五目丼定食(半ラーメン付)を食べていました。そんな発表当日、皆さんはいかがお過ごしでしたか(笑)

さて、発表から時間も経っているので詳細なスペックの紹介は省くこととしますが、当モデルの特徴は何と言っても「ノンデイト」というところでしょう。
どうしてもデイトを付けたくなりますが、ノンデイトにしたことでシンプルさが際立ち(ある意味逃げ場が無いとも)、インデックスのソリッド感に力強さが増していると思います。

当モデル「37mm径」「ノンデイト」は好意の目が向けられていますが、搭載キャリバーである6R31には賛否両論あるようです。
ですが、セイコーがこの価格帯で載せられる搭載キャリバーは6Rシリーズしかないのが現実です。
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当然ですが、6L,8Lを乗せれば30万円超となることは必至。下剋上になってしまいます。
9Sは絶対に載りません。GS専用ですから。
しかし、曰く「キングセイコーの格に合わない」と。
キングセイコーの成り立ちはグランドセイコーよりも安いが、精度や仕上げはそれに匹敵するというものでした。
事実、GSが25,000円だった時代に12,000円ほどだったKSは、社内のライバルに負けないぞ!という気概があったように思います。
しかし、これはGSもKSもSEIKOの一ブランドであったがゆえ。
セイコーから独立したGSは、もう、KSなど眼中になくKSとの戦いの場には降りて来ないのです。
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それが故に、過去のKSが繰り広げたGSとのバトルと比較して、復活したKSのことをあーだこーだ言うのは、何か違うと思うのです。
盾マークは、過去と同じくセイコーの一ブランドであるので、継承しているのでしょう。
過去記事

そして、198,000円という価格。
よく聞く当時の大卒初任給(公務員)と比較してみましょう。
大卒初任給(公務員)
 1964年 17,100円 1965年 19,610円 1966年 21,600円
 1967年 23,300円 1968年 25,302円
1965年のデイト付きcal.4402の定価が15,500円
1968年の3針cal.4500Aの定価が16,000円
1968年のデイト付自動巻モデル(56KS)cal.5625の定価が23,000円

約一月分の給料を全部ぶっ込んで買える金額のようですね。
そう考えると当モデルの198,000円というのは、過去の水準からすると同等と言えるのではないでしょうか。
しかしまあ、1964年から1968年にかけて初任給が8000円、率にして147%(約1.5倍)となっているのは恐れ入りますね。

全ての人を満足させるモデルはありませんが、キングセイコーという名の持つブランド力の強さには驚かされます。
キングセイコーは1961年から1975年の僅か14年しか生産されていません。
たった14年でも光り輝いたからこそのブランド力だと思います。

今回は2代目KSKモデルでしたが、45、56、52、56など魅力的なアーカイブも沢山ありますので今後に期待したいと思いますが、『復刻』ではなく『復活』ですので、過去のアーカイブだけに頼るのではなく、新たなデザインや価値の創造にも期待したいところです。
もっと言えば、キングセイコーが復活することでこれまでプレザージュが担ってきた役割の一部がキングセイコーに移管することも考えられ、プレザージュの更なる発展も期待できます。

これまで、20万円代をスタートラインとするブランドがあればと言ってきました。
シチズンはシリーズ8、これにぶつける形でセイコーはキングセイコー。
日本勢もなかなか面白いことになってきました。
しかし、このプライスレンジはスイス勢でもコスパのいいモデルがひしめき合う激戦区。価格での勝負は出来ないので、デザイン、性能に更に磨きをかける必要がありますが、どうなることでしょうか。